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オリヴィエ・メシアン生誕100周年記念
作曲家・日置あゆみ先生による特別寄稿
フランスが生んだ作曲家のひとり、オリヴィエ・メシアンは、独自の技法により数多くの作品を残しました。またメシアンの門下生には、ピエール・ブーレーズ、シュトックハウゼンやクセナキスなどそうそうたるメンバーがおり、偉大な芸術家も数多く育てました。
敬虔なクリスチャンであったメシアンは、「みどり児イエスにそそぐ二十のまなざし」といったピアノ曲のように信仰にもとづいた作品を数々と残し、また作曲家であったと同時にオルガニストでもあった彼は、60年以上にわたって教会のオルガニストをつとめました。
自然をこよなく愛したメシアンは「鳥の声」を採譜して音楽に表現し、また「音」を「色彩」として感じとることができる特異な才能の持ち主でもありました。中でも有名な、ピアノのための「鳥のカタログ」は実際の鳥の声を忠実に採譜するところから作品作りが始まっています。また、他の作品のひとつである、ピアノと小編成オーケストラのための「七つの俳諧」は、日本に訪れた時に軽井沢などで鳥の声を採譜しています。
私がパリ留学中にお世話になった何人かの先生方もまたメシアンの門下生であり、ミュージシャンとして大変な活躍をされています。教室の外での時間も大切にするフランス人らしく、レッスンが終わると私達クラスの生徒を誘って食事などに行った時に、ときどき聞くことのできるメシアンとの思い出話がまた印象深かったものです。
レッスンでメシアンがピアノでバラバラバラー、とピアノで不協和音を弾き、ピアノの周りにいた何人かの生徒達に
「君達、この音が全部わかるかい?」
とたずね、すべての音を聴きとれる生徒さえいないのに、それらの音から自然に発生する自然倍音までもたくさん聴き取って言い当てることができる耳の持ち主だった、とか、大変ユーモラスなお人柄を感じさせるエピソードもたくさん聞かせて頂ける楽しいひと時でありました。
また、「絶対にパリで聴きたい!」と思っていたメシアンの代表作のひとつ「トゥランガリラ交響曲」は、シャンゼリゼ劇場において小澤征爾指揮により、フランスを代表するピアニストの一人であるピエール−ロラン・エマールの演奏と共に、今まで感じたこともないようなえもいわれぬ色彩にあふれた天上界にいるような気分になりました。
今年、オリヴィエ・メシアンの生誕から100年経ちました。
自然と神を愛した偉大な芸術家は、どのようなまなざしで今現在のこの世界を見つめているのでしょうか。
日置あゆみ先生プロフィール
県立長野高校卒業
東京芸術大学音楽学部作曲科、パリ・エコールノルマル音楽院作曲科、コンセルヴァトアール(国立パリ高等音楽院)作曲科卒業
1999年長野高校創立100周年記念コンサートにおいて、校歌のヴィヴァルディ風アレンジを手がけ、イ・ムヂチ合奏団により初演
2000年フランス最大の音楽メッセ「ミュジコラ」において自作曲「無伴奏ヴァイオリンソナタ」再演
2003年国立パリ高等音楽院指揮科卒業試験コンサートにおいて「Lent〜ヴァイオリンとオーケストラのための」が課題曲として取り上げられ、現代音楽ホール「シテ・ドゥ・ラ・ミュジック」において初演
現在は作・編曲活動を中心に、ソルフェージュ教育の普及につとめる
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